まるで紙のような裃
春は祭りのシーズン。
我が地域の例祭も近づいてきました。
神社の役を仰せつかって6年目の夫、任期満了まであと数ヶ月になりました。
神社での式典がある度に紋付き袴、中でも例祭には裃で参加しなければなりません。
紋付き袴は、結婚時に夫の母親が持たせてくれていたので、子どもたちの結婚式や義父の葬儀の際にも着用、そして、この神社のお役目には何度も着ることになりました。
今これと同じ物を仕立てるには相当値が張ると思いますから、手持ちがあって随分助かりました。
ただ、問題は裃。
裃は持っていません。
1年に1度、例祭の時に身に付けますが、その度に貸衣装を利用しています。
袴とセットでまあまあのお値段。
でもあと1回ですから今年も貸衣装で良しとしましょう。
と私は思っていました。
なのになのに・・
夫がポチりました。
裃上下セット19800円也の代物。
届いた時の軽さに驚き、開けた時の薄っぺらさに驚き「これはキャンセルだな!」と私は思いました。
が、夫は「これで十分」と言います。
着るのは夫ですから、夫が良いと言うのなら
どうぞどうぞですが・・
正絹で仕立てた裃姿の方々に混じって、ペラッペラの紙のような裃姿の夫を想像すると、笑うに笑えませんが。
それにしても、歴史ある神社を持つ地域は大変です。
時代に逆らうような数々の決まり事、それらを守り継承していくことは大変なこと。
一住民としては、面倒なことからは離れたいのが正直な気持ち。
そんな中で6年間頑張った夫ですが、最後のご奉公にこの紙のような裃で良いのでしょうか。
し~らないよ、しらないよ!