息子は42歳で学生

息子の人生は紆余曲折ありましてー


小学生までは、ごく普通の優しい子どもで、勉強もそれなりに頑張る子だった。
小学校卒業と共に夫の仕事の関係で転居、新天地で中学校生活を始めたのだが、何故かピタリと勉強をしなくなった。
中学から高校までの6年間、勉強をしている姿を私はただの1度も見たことがない。
当然成績も落ちる一方で、素行も安心できるような感じではなかった。
部活も何だかんだと理由をつけて直ぐ辞めてしまい、何を目的に生きているのか掴みどころがない感じで、親としては不安しかない毎日。


それでも何とか高校を卒業し、親のアドバイスのそのままに建築士を目指す専門学校に入学。
そこでは少しは勉強したようで普通以上の成績で卒業、建築士2級の資格も得て無事に設計施工会社に就職。
曲がりなりにも社会人となって働く息子にホッとしたのもつかの間、1年後には職場環境に馴染めずうつ状態に。
自ら通い始めた心療内科のDrの勧めもあり職場は退職。


精神の不調は当然生活にも及び、ハラハラする出来事が頻回に起こった。


この頃、我が家は他の難題も抱えており、私の毎日は悩みの渦の中だった。


でもアルバイトをしながら息子は少しづつ成長。
生活も落ち着きを取り戻した25歳のある日、なりたい職業があるのでもう一度学校へ行くと突如言い出した。


銀行から200万円の融資を受け、それを原資に東京の某学校夜間に入学。
働きながら通学し、医療系の資格を得て病院に就職したのが29歳。
30歳で結婚、2児の父親となる。


その後、落ち着いて家庭を守り、仕事に励んでくれると思いきや、今度は通信制大学に入学。レポートやらスクーリングやらで家族を犠牲にしてやっと卒業したのが3年前。
そして「まだ勉強がしたい」と今度は大学院生となって現在に至る。

仕事、学業、父親業…………


中学生の頃「この子はいつになったら勉強をするのかしら」と思っていたが、このような展開になろうとは・・・・・

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