姫タケノコとハイクラウンチョコレート

姫タケノコの季節となり、夫が知人3人と一緒に朝早く採りに行ってきた。


個人の方が所有されている山に無断で入ることはできないので、入ることのできる山は限られている。
タケノコ採りは山のことを熟知している地元の者の特権。


姫タケノコが採れるのは山奥の笹薮が広がる場所で、私も1回同行したことがあるが、それはそれは大変だった。


根っこにつまずいて転んだり、笹をかき分けて手や顔が傷だらけになり、挙句の果てには、沢に滑り落ちて手の指2本骨折したりして散々な目に合った。



昔々・・・私が子供だった頃、母は毎年タケノコ採りに出かけていた。
「楽しい、楽しい、夢に見るほど楽しい」といつも言っていた。


大きなリュックにいっぱいのタケノコを背負って帰ったその後は、大きな釜で茹でられる。


皮むき作業は家族みんなの夜なべ仕事で、家族でワイワイ言いながらの作業は、幼かった私にはウキウキするような楽しい時間だった。


皮を剥き終わったタケノコは地元の缶詰工場へ持って行き、その殆どは自家用のタケノコ缶詰となる。そして大切に保管され、祭りや盆などのハレの日のごちそうになって登場した。


作業が終わった後、ご褒美として母が私に渡してくれた物、それは何故かいつも決まってハイクラウンチョコレートだった。


しかも1箱まるごと!



最高にうれしかった。


4本入っているチョコレートを何日もかけて大事に大事に食べた記憶・・・


この季節になると、母の笑顔と、ハイクラウンチョコレートを思い出す。


古き良き昭和30年代の思い出・・・

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