母の指輪

先日実家へ行った際、
「お母さんが残したお宝」と言って義姉が箪笥から出してきた物。
母の指輪。


「私はこれをひとつ頂戴したから、あとは全部もらってね」と。


年代物のパールから比較的新しい物まで5個。


田舎に生まれ育った母は隣町の建築関係の家に嫁ぎ、自営の手伝いや畑仕事に忙しい日々を送る一生だった。
働いてばかりで、自分のために貴金属を買うことなんてないと思っていたけれど、案外楽しんでいたのかもしれないと、何だか嬉しかった。


サイズが小さくて、残念ながら私の太い指には第1関節までしか入らない。


それに自分の結婚指輪さえ何十年もはめていないのだから・・
「せっかくだけど、いらないよ」と返した。


もらって帰っても、どうせまた箪笥の奥深くに眠るだけだし・・・


「何百万もする高価なものかもしれないよ・・・」
・・なんて義姉と冗談をいいながら、結局また実家の箪笥に眠ることとなった。


遺品の断捨離は難しい!

×

非ログインユーザーとして返信する