ファミリーシークレット
幼いころ、不思議に思っていたことがある。
でも口にだしてはいけないと、子ども心に感じ取っていたいくつかのこと。
そのうちの一つ
いつも遠慮がちに家に顔を出していたおじさんのこと。
どんな繫がりなのか知らされないまま大人になって、大人になると尚更聞きにくく、結局関わりのある人はみんな亡くなってしまった。
そんな話を先日実家の義姉にしたところ、義姉の口からそのおじさんは私の父親の兄だったと知らされた。
祖母は、娘時代に糸引き工女として信州岡谷へ出稼ぎに行っており、そこで上司の子を身ごもってしまった。
子供は養子として他家へもらわれて行ったが、母親である私の祖母の元へは出入りしていた。
私の中で、ずっと得たいの知れない存在だったおじさんは、父親の兄だったのだ。
ストンと腑に落ちた。
田舎という土地柄も、時代背景もあり、世間を忍ぶような生き方を強いられ人達。
私が20歳の時に亡くなった祖母、
お洒落できっちりした性格の人だったが、そんな闇を持っていたとは・・・