知らないおばあさんに褒められた。

家の前を見たことのないおばあさんが通り掛かり、私を見て「こんにちは」と挨拶された。


「こんにちは」と私も返したのだが、それからが大変!

「今88歳で・・・」から始まって、自分の親の事や、子どもの事、出て行かれたお嫁さんの事、あれやこれやしゃべり倒して、最後に「あんたは素敵な人やなぁ。顔は丸からず細からず、髪の毛のパーマはクリクリすぎず、着ている物はセンスいいし。性格も良さそうや」とベタ褒め。

「88年間生きてきたから何でも分かる」と。


その口からは言葉が湧くように出てきて、おばあさんの独壇場が30分程続いた。


話を切り上げるタイミングがうまく掴めない私は、ジリジリ後ずさりしながら「また、次にお会いした時にお話を聞かせてくださいね。さようなら」と家に逃げ込んだ。


どこのどなたかは存じませんが、このご時世マスクもせずに出歩いてはいけません。

それに、家の機密事項を見ず知らずの人間に暴露してはいけません。


私の性格? 

   結構腹黒いかもよー

髪型? 

   このパーマは失敗。とても気にしています。

洋服のセンス?

   上下ともユニクロ。


口からでまかせでも褒められるのは嬉しくて、家に入って鏡を見てみたが、どこをどう見ても素敵とはほど遠かった。

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