じーさんを手のひらでころがしたい
夫とはもう40年以上一緒に暮らしている。
高校の同級生だから付き合いは50年になるわけだ。
半世紀もの間つきあっていれば、相手の性格をもう少し理解するとか、諦めるとか、関わり方を学習してもよさそうなものだが、夫のマイルールが進行形なので、なかなか付き合い方が難しい。
最近特に思うのは、こどもの頃に育った環境が違うから、一生同じ価値観で物が見えないのではないかということ。
退職して家に居る時間が長くなると、その価値観の違いがとても気になってくる。
私は街中で生まれ育った。
隣家が密接していたので、外の掃除をする時には隣家の敷地をほんの少しだけ一緒に掃き、車や自転車などは自分の敷地からはみ出すことなく、夜はテレビのボリュームを下げるようにと母からは厳しく言われた。
「人に後ろ指をさされないように」とか、「そんなことをしたら近所の人に笑われる」
ともよく言われ、隣近所の家族の目をいつも感じ、自制しながら育った。
近所の付き合いや親せき付き合いも細かく、義理人情も大切にする環境だった。
しかし夫は山の中の一軒家育ち。
隣近所への気遣いを知らないまま育った。6人兄弟の真ん中だったから、親も躾けには無頓着だったに違いない。
あまり周囲のことを気にせず、わが道をどんどん進んで行く性格はこうして形成された。
三つ子の魂百まで・・・・というではないか!
夫との埋まらない溝を埋めようとジタバタするのはもう止めよう。
多少腹の立つことや納得できないことがあっても、育ちがそうさせているのだと思うことにした。
しかし、同じ環境で育った夫の兄弟は皆常識的で繊細であるのだが・・・おかしいなあ!!