潔い生き方

私は、今は亡き樹木希林さんが好きで、希林さんが出演された映画やドキュメンタリーを、いつも楽しみに拝見していた。


特に心に残っているのは、長野県上田市にある美術館「無言館」を希林さんが訪ねた時のドキュメンタリー番組。

無言館には戦争で亡くなった若き美大生たちの作品が展示してあるのだが、作品を見る希林さんの深い眼差しがとても印象的だった。


一昨年の秋、希林さんが見たその景色を共有したい衝動に駆られた私は、足跡をたどって無言館を訪れたりもした。


亡くなる前の数年間の希林さんは、私にとっては目が離せない存在になっていただけに、亡くなった時は、まるで身内のように落胆した。


自分の気持ちに忠実であろうとすると、周りの人に我慢を強いることになるし、

人の気持ちに配慮していると、自分の本当の気持ちを押さえ込む事になる。


人間関係はとても疲れる。


潔く生き抜いた樹木希林さんを時々思い出しては、自分の生き方を探り続ける日々である。

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